2025年12月、家族でマレーシアを旅行した際、人気観光地バトゥ洞窟(Batu Caves)で、私たち家族はスリに狙われました。幸い被害はゼロ。元警察官として15年、そして外国人事案の通訳・翻訳にも携わってきた私が、実際にどう予測し、どう防いだのかを、当日の出来事とあわせて包み隠さずお伝えします。子連れ海外の防犯の、生きた教材になれば幸いです。
※料金・営業時間・服装ルール・現地の治安状況などは変わります。おでかけ前に必ず公式・最新情報と外務省の海外安全情報をご確認ください。本記事は体験と一般的な情報をまとめたものです。
📌 この記事の結論・要点
- 元警察官パパが2025年12月にマレーシア・バトゥ洞窟で実際に体験したスリ未遂と、その撃退法の実録。
- 狙われたのは272段の“階段の頂上”。体力を消耗し注意力が落ちる場所こそ危険(元警察官の分析)。
- 成功のカギは「事前の情報収集・貴重品をベスト内ポケットに集約・家族での連携(察知→引き返す→動画で牽制)」。
バトゥ洞窟(Batu Caves)とは?
バトゥ洞窟は、マレーシアの首都クアラルンプールから北へ約13kmの場所にある、ヒンドゥー教の聖地です。子連れでも電車(KTMコミューター)でアクセスでき、無料で参拝できる人気の観光スポット。見どころは次のとおりです。

- 272段の「レインボー階段」……赤・橙・黄・緑・青・紫に塗られたカラフルな階段。SNS映えの定番ですが、急で段数が多いのが特徴。
- 高さ42.7mの黄金のムルガン神像……マレーシア最大・世界で3番目に高いヒンドゥー神の像。階段の下にそびえます。
- 洞窟内の寺院……階段を登りきった鍾乳洞の中に寺院があります。
- 野生のサル(カニクイザル)……階段や周辺に多数。人慣れ・餌付けされており、持ち物を狙ってきます(後述)。
- 服装ルール……肩とひざを隠す服装が必要。露出がある場合は入口でサロン(腰巻き・有料)を借ります。
- 開いている時間……おおむね毎日6:00〜21:00(お祭り時期などは変動)。暑さと混雑を避けられる早朝がおすすめ。
【体験談】家族4人でバトゥ洞窟へ
この日は、私・妻・長女(7歳)・次女(4歳)の4人で訪問(三女=1歳は現地の実家に預けました)。出発前、私は現地の情報を調べ、この観光地でスリの被害報告があることを把握していました。
そこで、寺院に向かう前に家族で「作戦会議」をしました。決めたのは次の2つです。
- 「不審な人がいたら、すぐにパパに報告する。油断しない」と全員で共有。
- 貴重品はチャック付きベストの内ポケットに集約。家族全員分の貴重品を私が一括で管理。
当日は現地の人や観光客で大盛況。人が多いのは安心材料でもありますが、スリにとっては”紛れやすい”環境でもあります。
階段でまさかの”猿の襲撃”…体力を削られる
272段の階段は、想像以上に急で長い。息を切らしながら登っていると、途中で1匹の猿が、次女の持っていたお菓子に目をつけました。今にも襲いかかってきそうな勢いで威嚇してきたため、私は次女を抱っこしながら階段を登ることに。

ただでさえ急な階段を、子どもを抱えて登る——登りきる頃には息も切れ切れ、酸欠で目が回りそうでした。この「体力の消耗」が、後から思えばスリの狙いどおりの状況だったのです。
※猿はお菓子や貴重品(スマホ・サングラス等)を奪うことがあり、噛まれると狂犬病などの感染リスクもあります。餌を与えず、手に持たず、万一噛まれたらすぐに医療機関へ。
【スリ未遂】洞窟で”つけてきた男”
階段を登る道中、不審な人物はいませんでした。ただ、他の観光客が写真撮影に夢中になっているのを見て、「ここはスリの危険がありそうだ」と改めて警戒を強めました。そして、異変は洞窟の中で起きます。
階段を登りきって洞窟に入ってすぐ、入口付近のベンチに現地の男性が1人座っていました。私たちは気に留めず洞窟内を観光。ひととおり見て入口に戻り、階段を降りようとした、その瞬間——その男が急に立ち上がり、私たちの後をつけ始めたのです。
いち早く気づいたのは妻でした。「あの人、ついてきてる」とすぐに私へ報告。作戦会議どおりの連携です。私は階段を降りず、あえて洞窟内へ引き返しました。すると、その男も洞窟内までついてきた——これで確信しました。
そこで私は、記念撮影をするふりをしてスマホの動画を回し、その男がカメラの画角に入るようにアピールしました。すると男は、すっと立ち去っていったのです。被害はゼロ。家族全員、無事でした。
——被害がゼロで済んだ最大の理由は、貴重品をベスト内ポケットに集約し、体から離さなかったことでした。もし普通のポケットのままだったら、あの一瞬で抜き取られていたかもしれません。「抜かれにくくする」ための装備は、下の2点が役立ちます。
🛡 記事のように貴重品を「抜き取られにくく」するなら、チャック付きの多機能ベストや、体に密着する防犯ポーチが役立ちます👇
【元警察官の分析】なぜ”階段の頂上”で狙われたのか
今回の一件を、元警察官の視点で分析します。おそらく犯人は、階段の頂上(洞窟の入口付近)で”カモ”を物色していました。理由は明確です。
- 急な272段を登った直後は、誰もが体力を消耗し、注意力が落ちる。その”スキ”を突くのが狙い。
- 観光客は絶景や寺院、写真撮影に気を取られ、持ち物への注意が留守になる。
つまり、「体力が消耗しているとき」「何かに注意がひきつけられているとき」は、圧倒的に狙われやすい。これは観光地に限らず、あらゆる混雑・移動の場面に通じる、防犯の鉄則です。

今回、防犯が成功した5つの理由
被害ゼロで切り抜けられたのは、偶然ではありません。次の5つが効きました。
- 事前に情報収集していた……「ここはスリがいるかも」と予測できていたので、最初から警戒モードで動けた。
- 家族で危険を共有し、役割分担していた……「不審者はパパに報告」を全員が徹底。妻の早期発見につながった。
- 貴重品を一括管理していた……チャック付きベストの内ポケットに集約。物理的に抜き取りにくい状態にしていた。
- 不審者の接近に早く気づけた……”後をつけてきた”段階で察知し、被害の前に動けた。
- カメラを使って撃退した……犯罪者は「映像に記録されること」を極端に嫌う。撮影アピールは、手を出させないための有効な一手。
バトゥ洞窟&海外観光地の防犯チェックリスト
今回の経験と現地情報から、子連れで押さえたい実践ポイントをまとめます。
- 行く前に治安情報を調べる……口コミやレビューで「スリ」「盗難」の報告がないか確認。外務省の海外安全情報も。
- 家族で作戦会議+役割分担……「不審者は◯◯に報告」を出発前に共有。子どもにも一言添える。
- 貴重品は分散させず”守れる場所”に集約……チャック付きの内ポケット、体の前で抱える、防犯ポーチなど。
- 体力に余裕を持って行動……272段は想像以上。早朝の涼しい時間に、無理のないペースで。疲労=注意力低下=狙われやすい。
- 猿に食べ物・貴重品を見せない……手に持たず、バッグの中へ。噛まれたらすぐ医療機関(狂犬病対策)。
- 不審者にはカメラを向ける……撮影アピールは有効な自衛。ただし相手を刺激しすぎない範囲で、その場を離れることを最優先に。
- 服装ルールを守る……肩・ひざを隠す。露出があればサロンを借りる(有料)。
まとめ|「予測」と「家族の連携」が最大の防犯
バトゥ洞窟は、絶景と文化が楽しめる素晴らしい場所です。同時に、人気スポットには狙う側もいるという現実も、身をもって知りました。今回スリを防げた最大の要因は、高度なテクニックではなく——「事前に予測し、家族で共有し、油断しなかった」という、誰にでもできる基本の徹底でした。
備えあれば、海外旅行は最高の家族の思い出になります。安全第一で、楽しい旅を。あわせて読みたい記事はこちら👇
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