朝7時30分。託児所の玄関で、1歳の三女が泣きました。
歌舞伎を観に行くために、私たちはこの子を託児所に預けることにしました。
結論から書きます。2026年8月12日、スーパー歌舞伎Ⅱ「もののけ姫」を、妻と7歳・4歳の娘と4人で観ました。この日に使った金額は91,105円。非常にいい体験をすることができました。
実費の全内訳(2026年8月12日・新橋演舞場)
| 項目 | 金額 | 内訳 |
|---|---|---|
| チケット | 69,980円 | 1等席17,000円 × 4枚=68,000円 システム利用料1,320円/店頭発券手数料660円 |
| 託児所(一時預かり) | 10,000円 | 1歳の三女/7:30〜19:00 |
| 交通費 | 4,725円 | 往復の電車4,125円/帰りのタクシー600円 |
| イヤホンガイド | 3,200円 | 800円 × 4台 |
| 食事 | 2,600円 | 「すみれ」1,000円/「特製幕の内」1,600円 |
| おやつ | 約600円 | パンダバウム(幕間に4人で) |
| 合計 | 約91,105円 |
チケット代68,000円がいちばん大きい金額です。ただ、もっと重要なことは、
三女を託児所に預けなければ、計画は成立しなかった。
ということです。
妻は託児所に預ける時に泣く三女を見て罪悪感を感じましたが、三女を預けられなければ、私たちはそもそも劇場に行けませんでした。チケットが取れるかどうかより、預け先が取れるかどうかのほうが、先に来る条件だったのです。
ここから、その一日を順に書いていきます。
5時30分|起きる
私と妻が起きたのは、5時30分でした。
開演は11時です。それでも、5時半に起きないと間に合わない一日でした。
理由は、劇場までの距離ではありません。三女を預けに行く時間が要るからです。
7時30分|三女を預ける
7時に家を出て、7時30分に託児所に着きました。一時預かりで、10,000円です。
引き渡すとき、三女は泣いたと妻が言っていました。
三女が泣いたという話を聞いて、私も罪悪感を感じましたが、1歳が4時間20分を座って過ごせるとは、どうしても思えませんでした。
公式サイトには「4歳よりお一人様につきチケット1枚が必要」という但し書きがあり、年齢制限として「◯歳未満は入場不可」とは書かれていませんでしたが、周りのお客さんに迷惑をかける可能性を考えると、託児所に預けるしかありませんでした。
実家や親せきが近くにいるご家庭であれば、親に子供を預けて出かけることもできたかもしれませんが、お互いの両親が遠方に住んでいる我が家では、託児所が出かけるときの強い味方になります。
妻が家に戻ってきたのが8時。そこから、残りの4人で出発しました。
9時50分|妻が、入場のための列に並ぶ
新橋駅に着いたのが9時40分。そこから劇場までは約900m、歩いて14分あります。
到着したのは9時50分頃。すでに、列ができていました。

写真には入口付近で待っているお客さんが何人か写っています。事前に口コミを調べると、弁当や土産品はとても人気があり、開場後すぐに売り切れると書かれていたので、劇場内の売店で、弁当や土産をお客さんかもしれません。
チケットは発券済みだったので、妻がその列に並びました。私はその間に、劇場の外の窓口でイヤホンガイドを4台借りました。(1台800円、4台で合計3,200円)
イヤホンガイドのレンタル場所は、写真では見切れていますが、向かって左側の建物角付近に長机が設置され、スタッフが案内をしていました。

10時20分|開場、スタッフから声をかけられる
開場。妻はそのまま売店へ、私は子ども2人を連れて座席へ向かいました。
席に着く前に、私はトイレの位置を確認しています。15年間、警察官として現場に立っていたときの癖だと思います。知らない建物に入ったら、出口と設備の位置を先に把握する。また、雑踏の流れや誘導のスムーズさ、挙動不審な人がいないかにも目が行きます。
この日は、私の治安警戒センサーは反応しませんでした。
そして席に着こうとしたとき、案内をしていたスタッフのほうから、声をかけられました。
こちらから頼んだのではありません。向こうから言ってくれました。
客層の年齢は高く、子連れはほとんどいませんでした。特に小さい子どもはあまり見かけなかったので、自分たちがこの場所で浮いていないかを、少し気にしていました。
なので、あの一言で少し緊張が和らぎました。
開演前に、座席で腹ごしらえ
幕間に食べる選択肢もありました。ただ妻は、「開演前に食べよう」と言いました。その理由は、長丁場なので、子どもたちの集中力を持たせるために、腹ごしらえをしたほうが良いと考えたからです。
買ってきたのは弁当2個(合計2,600円)


大人2人・子ども2人で、弁当2個。これで足りました。しっかりした食事というより、空腹を少しだけ満たすためのものだったからです。
11時00分|開幕
前半は90分。12時30分までです。
私たちは事前に、子どもたちとアニメの「もののけ姫」を観て予習し、「イヤホンガイドを借りてよかった。」という口コミを参考に、イヤホンガイドも4台借りて準備は万端です。
気合十分で初歌舞伎に臨みます。
結果を先に書くと、ストーリーを理解するという目的ではイヤホンガイドは必要ありませんでした。
舞台は、アニメのセリフやシーンをほぼそのまま再現していました。そのため、内容が分かりやすく、イヤホンガイドがなくても話についていくことができました。
イヤホンガイドが役に立った場面は役者のプロフィールや、制作過程の説明や歴史の解説をする場面でした。
ストーリーの補足ではなく、「いま舞台に立っているのが誰なのか」「この演出はどこから来ているのか」という背景の情報について、分かりやすく説明していたのが良い点でした。
イヤホンガイドは子どもたちからも好評で、長女(7歳)も次女(4歳)も装着して、楽しそうに聞いていました。
12時30分|幕間の35分
前半が終わり、後半が始まるまでの35分。ここで、4人でパンダバウムを食べました。(約600円)

4時間20分を座り通すなら、途中で一度、口に入れるものがあったほうがいいです。集中力を持たせるためのの栄養補給ができました。
13時05分|後半、没入感MAX
後半は95分。14時40分までです。
上演の途中、隣の席で4歳の次女が、体をむずむずと動かし始めました。
長時間座って観劇する経験がなかったので、集中力が途切れてぐずり出すかと一瞬ヒヤッとしましたが、
最後まで行儀よく座ってくれました。
7歳の長女のほうは、最後まで静かに観ていました。
子どもたちが行儀よく座っていてくれたので、私と妻は劇に集中できました。
4時間20分の間、私は日常生活から離れて、初体験の歌舞伎から新しい刺激を受けることができました。
子連れで出かけて、これができる日は、そう多くありません。たいていは、舞台ではなく子どもを見ています。半分は親のまま、半分だけ客席にいる。それが普通です。
しかし、この日は、違いました。
たたらを踏む場面で流れる歌がよかった。いま思い出しても、まだ耳に残っています。
14時40分|終演、帰り道で「抱っこして~」
幕が下りました。観劇の直後、私は高揚していました。初めての歌舞伎で、大満足でした。本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。
イヤホンガイドは、出口付近でスタッフに手渡しで返却しました。
劇場を出たところで、次女が「抱っこして~」と言ってきました。
4時間20分、この子は我慢して座っていたのだと、そこで分かりました。
普段なら自分で歩いてほしいなーと一瞬頭によぎりますが、この日は「良く頑張った!」と労い、抱っこして歩きました。
劇場から新橋駅までは、歩けば14分(約900m)。私は流しのタクシーを拾うことにしました。劇場のすぐ近くの路地で拾えて、新橋駅まで乗りました(600円)。
この判断は正しかったです。4時間20分座ったあとに、4歳を抱えて14分歩くのは、こちらの体力が持ちません。600円でそれを回避できたなら、安いものです。
帰宅したのは16時頃でした。
この日、二人が口にした感想
次女(4歳):「こだま役の子が可愛かった」
歌舞伎は子供にはまだ早いかなという不安や、普段聞きなれない歌舞伎のセリフ回しが中心の物語だけど大丈夫かなという不安がありましたが、子供なりに楽しいポイントを見つけて観劇できたことに、子供たちの成長を感じ嬉しくなりました。また、大きなトラブルや事故なく、安全にお出かけを終えることができたので、自分たちの経験値も少し貯まったかなと自信がつき、次のお出かけへのモチベーションが上がりました。
検証|この日の記録を、数字で整理
時間の構造
| 時刻 | |
|---|---|
| 10:20 | 開場 |
| 11:00 | 開演 |
| 12:30 | 前半終了(90分) |
| 13:05 | 後半開始(幕間35分) |
| 14:40 | 終演(後半95分) |
- 上演の正味:3時間5分(前半90分+後半95分)
- 開演から終演まで:3時間40分
- 座席にいた時間:約4時間20分(開場10:20〜終演14:40)
この「4時間20分」が、この記事のいちばん重要な数字です。
「もののけ姫」と聞けば、子どもが楽しめそうに思えますが、
4時間20分を、座っていられるかどうかが大事なポイントになります。
1等席17,000円を選んだ理由
見栄でも贅沢でもありません。予約した時期に、見通しの良い席が1等席しか空いていなかったからです。
リーズナブルな価格帯で見通しの良い席は、その時点では残っていませんでした。選択肢がそうなっていた、というだけの話です。
そのうえで書くと、観劇のしやすさという一点においては、1等席を選んでよかったと思っています。安いから選ばなかったのではなく、見通しの良さで選んだ結果が1等席だった、という順序です。
イヤホンガイドの借り方・返し方

- 借りた場所:劇場の外の窓口。開場前の10:05に4台まとめて借りました
- 返した場所:終演後、出口付近でスタッフに手渡し
- 返却は必須。本体に「各部終演後に必ずご返却をお願いします」と明記されています
- 注意書きには、紛失または水没等の故障の場合は補償金を請求する場合があるとも書かれていました
最後の一行は、子連れで借りるなら知っておいたほうがいいと思います。4歳に精密機器を4時間預ける、という話でもあります。うちは何事もなく返せましたが、それは結果論です。
安全面について
雑踏の誘導はスムーズで、混雑時の危険を感じる場面はありませんでした。開演前の時間帯は混んでいましたが、導線として気になる点はありません。
この観劇が合わない家庭の条件
正直に書きます。すべての家庭に薦められる観劇ではありませんでした。
- 子どもが4時間20分、静かに座っていられない家庭には難しいと思います。これが唯一にして最大の条件です
- 客層の年齢は高く、子連れは少なめでした。特に小さい子どもは、ほとんど見かけません
- テーマはジブリのアニメですが、内容は子ども向けではないと感じました。「もののけ姫だから子どもが楽しめる」とは、私は思いません
19時00分|三女を迎えに行った
その日の最後にしたのは、託児所に三女を迎えに行くことでした。19時過ぎ。
朝7時30分に預けてから、11時間半が経っていました。
妻が言うには、迎えに行った時には三女は笑いながら走ってきたそうです。
今は一緒には行けないけど、成長して一緒に舞台を見に行ける日を楽しみに、また明日から日常生活に戻って、お金と時間をやりくりしてお出かけのプランを考えます。
今日、私がすること
私は、歌舞伎とスーパー歌舞伎について調べることから始めます。役者のこと、演目の歴史のこと。今日、家で無料でできることです。
そのうえで、次は伝統的な歌舞伎を観てみたいです。スーパー歌舞伎ではないほうを観たら、今回わからなかったものが見えるかもしれません。
17,000円の答えは、たぶんそこにあります。
ここに書いたのは、2026年8月12日に私が払った金額と、私がした判断です。料金や規定は変わりますし、4時間20分を座っていられるかどうかは、お子さんによって全く違います。あなたの家では、別の判断のほうが正しいかもしれません。
公演:スーパー歌舞伎Ⅱ「もののけ姫」/新橋演舞場
観劇日:2026年8月12日(晴れ)
同行:妻、長女7歳、次女4歳(三女1歳は託児所)
移動:電車+徒歩(新橋駅から徒歩約14分・約900m)/帰りはタクシー
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