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【東北5大祭り旅行記 第3話】秋田竿燈まつりは子連れに一番やさしかった|最前列の迫力と、元警察官が驚いた「歩かせ続ける」誘導

東北5大祭り旅行記 第3話 二日目、秋田竿燈まつり|最前列の迫力と、完璧な誘導 体験記・レビュー
📌 この記事の結論
・5つの祭りを回って、子連れのしやすさは秋田竿燈まつりがトップだった
・理由は演目より「運営」。警察官が歩道の中央に立ち、歩行者を滞留させない誘導をしていた(この方式は5つの中でここだけ)
・有料観覧席の最前列は遮蔽物がゼロ。盛岡と違ってフェンスがない。ただし座席の位置は低い
・竿燈の全体像を写真に収めたいなら、あえて上段を選ぶのがおすすめ
・誤算=予約していたコインパーキングが警察に借り上げられて使えなかった

前回は盛岡さんさ踊りでした。5日間で5つの祭りを巡る旅の、2日目です。

先に結論を書きます。この旅で5つの祭りを見て、「子連れで行くならどこがいい?」と聞かれたら、私は秋田竿燈まつりを挙げます。

竿燈そのものが素晴らしかったのはもちろんです。ただ、私が本当に驚いたのは祭りの「運営」のほうでした。元警察官として15年間、雑踏警備の現場を見てきた立場から言うと、あの誘導は完成度が違いました。

朝:つなぎ温泉で朝風呂、そして秋田へ

前夜に泊まったつなぎ温泉「清温荘」で朝食をとり、朝から温泉に入りました。移動距離が短い日だからこそできる贅沢です。

この日の移動は盛岡→秋田の約180km。5日間でいちばん余裕のある行程でした。チェックアウトして、車で秋田へ向かいます。

★誤算:予約していた駐車場が「警察に借り上げられて」使えなかった

この日いちばんの誤算が、着いて早々に起きました。

我が家は事前にタイムズ秋田大町に停める計画を立てていました。ホテルの駐車場が「15時入庫〜翌7時出庫」という制約つきで、13時半到着・翌朝6時台出発の予定に合わなかったからです。24時間入出庫できる外部の駐車場を、わざわざ調べて決めていました。

ところが現地に行くと、その駐車場は警察に借り上げられていて、一般の車は入れませんでした。急遽、別の駐車場を探すことになりました。

急遽停めた三井のリパーク。最大料金は入庫後24時間以内400円
急遽停めた別のコインパーキング。入庫後24時間以内で最大400円と、料金面ではむしろ助かりました
👮 元警察官として、これは意外でした
私の経験では、祭りの現地警備本部は「役所や店舗の敷地・駐車場」に置かれることが多い。公的な施設や協力先のスペースを借りるのが通例だからです。
それがコインパーキングを丸ごと拠点にしていた。それだけ会場に近い場所に、まとまった車両スペースを確保する必要があったということです。あとから思えば、これはこの日ずっと感じることになる「警備の本気度」の最初のサインでした。

教訓としては、「祭り当日の駐車場は、事前に調べた=確実ではない」ということです。とくに会場至近のコインパーキングは、規制や警備で当日いきなり使えなくなる可能性がある。子連れなら代替案を2つ用意しておくことをおすすめします。

昼:無限堂で、いぶりがっこの「本気」を知る

EN HOTEL秋田に荷物を預け、15時のチェックインまで時間ができました。ここで前回の反省が効きます。

盛岡では10時に着いてしまい、開演までの8時間をどう使うか決めていませんでした。同じ失敗は繰り返せません。

まず昼食は無限堂へ。きりたんぽ御膳、稲庭うどんの御膳、はたはたの切り寿司、いぶりがっこ、そして日本酒(ゆきの美人)。

正直に言うと、いぶりがっこは「スーパーで買えるあの漬物」だと思っていました。現地で食べたそれは、燻製の香りの立ち方がまるで違って、別格においしかったです。土地の食べ物を土地で食べる意味を、久しぶりに実感しました。

無限堂の稲庭うどん御膳。いぶりがっこ、天ぷら、じゅんさいなどが並ぶ
稲庭うどんの御膳。中央の白い皿にのっているのが、いぶりがっこです
秋田名物のきりたんぽ鍋。せり、まいたけ、鶏肉が入る
きりたんぽ鍋。せりとまいたけがたっぷり入っていました

★昼の使い道が正解だった:ねぶりながし館

秋田市民俗芸能伝承館「ねぶりながし館」の看板と秋田市まちあるきMAP
秋田市民俗芸能伝承館「ねぶりながし館」。開演までの時間をここで使ったのが、この日の当たりでした

午後に向かったのが秋田市民俗芸能伝承館「ねぶりながし館」です。スタンプラリーもやっていました。

正直、「歴史を紹介する博物館」だと思って入りました。期待は高くありませんでした。結果は、まったく違いました。

竿燈の技と太鼓の実演をやっていた

ちょうど国際教養大学の学生による、竿燈の技と太鼓の実演が行われていました。

ねぶりながし館の館内。竿燈3基と太鼓が展示され、実演が行われる
館内には竿燈が3基。この前のスペースで実演が行われます

入口には実演の開始時刻が掲示されていました。1回の実演時間は、入退場を含めて30分程度とのこと。我が家が行った8月4日は9:30/14:30/15:30の3回で、日によって回数が違いました(実演団体は国際教養大学竿燈会)。

竿燈まつり期間中の竿燈実演開始時刻の掲示。実演団体は国際教養大学竿燈会
入口の掲示。日によって実演の回数が変わるので、行く前にこれを確認しておくと予定を立てやすいです

そして子連れだったので、前に座らせてもらえました。子どもたちは竿燈と一緒に写真を撮り、太鼓をたたく体験コーナーでも遊びました。

これが夜の本番の「予習」として抜群に効きました。竿燈がどういうものかを昼のうちに体で知っているので、夜に本物を見たときの反応がまるで違ったのです。

隣の旧金子家住宅で、長女がそろばんに反応した

隣接している歴史的な民家(旧金子家住宅)にも入りました。当時の生活がわかる品が並んでいて、アンケートに答えるとピンバッジがもらえます。子どもたちは大喜びでした。

印象的だったのは昔のそろばんが展示されていたこと。7歳の長女はそろばんを習っているので、「昔の人もそろばん使ってたんだね」と、自分の生活と展示がつながった顔をしていました。

秋田竿燈まつりの土産物コーナー。提灯型マグネットや扇子が並ぶ
館内の土産物コーナー。提灯型マグネットや扇子など、竿燈まつりのグッズが揃っています
「開演までの時間」は、祭りの予習に使うと化ける
盛岡では時間を持て余しました。秋田では祭りそのものを学べる施設に入っただけで、同じ待ち時間が「本番の楽しみを増やす時間」に変わりました。
子連れで祭りに行くなら、会場周辺の「その祭りの資料館・伝承館」を先に調べておく。屋内なので暑さも避けられて、一石二鳥です。

ホテルのコインランドリーは争奪戦だった

15時にホテルへチェックイン。第1話で書いたとおり、我が家は衣類を3泊分しか持ってきていません。道中のコインランドリーで洗う前提だからです。

その洗濯を、いよいよこの日に実行——したかったのですが、コインランドリーは外国人宿泊客との争奪戦でした。インバウンドで混み合う時期は、「洗濯は好きなときにできる」と思わないほうがいいです。

なお支払いは100円硬貨のほか、QRコードを読み込んでキャッシュレス決済も可能でした(自分の名前とパスポートIDを入力する方式)。小銭がなくても使えるのは助かります。

💡 洗濯前提で荷物を減らすなら
「洗える日」を1日だけに賭けないこと。混んでいて回せない日がある前提で、予備を1日分だけ多めに持つと安心です。
それでも「5日分を全部持つ」より圧倒的に軽い。荷物を減らす作戦自体は正解でした。

★★元警察官が驚いた、「歩かせ続ける」誘導

竿燈まつりの会場周辺の交差点。パトカーと多数の警察官・警備員が配置されている
会場周辺の交差点。パトカー、警察官、警備員、カラーコーンと規制線。この投入量が「滞留させない」を支えていました

観覧席に向かう道すがら、この記事でいちばん書きたかったことに気づきました。

多数の警察官が、歩道の「中央」に配置されていました。

端ではなく、真ん中です。そうすることで歩行者の流れが左右に分かれ、立ち止まる人が出ても全体が詰まらない。結果として、人が滞留しませんでした。

この旅で5つの祭りを回りましたが、この方法で交通誘導していたのは竿燈まつりだけでした。

👮 なぜ「滞留させない」ことが子連れに効くのか
雑踏事故は、人が「止まる」ことから始まります。流れているうちは危険度が低く、密度が上がって足が止まった瞬間から一気に危なくなる。
子連れにとっても同じです。立ち止まらされる時間が短いほど、子どもとはぐれるリスクも、ぐずるリスクも下がる。ベビーカーや抱っこ紐なら、なおさらです。
「ストレスなく移動できた」というのは、単に快適だったという話ではなく、安全のレベルが高かったということだと私は受け取りました。

加えて、運営・会場アナウンス・現地スタッフ・警察官・警備員の連携が、とにかくスムーズでした。誰かが場当たり的に叫んでいるのではなく、全体が一つの設計で動いているという感じです。

※人混みでの迷子対策そのものは子連れ旅行の安全対策、はぐれてしまったときの動き方は旅行先で交番に相談できることにまとめています。

★最前列は、遮蔽物がゼロだった

秋田竿燈まつりの有料観覧席の最前列。パイプ椅子が並び、目の前に遮蔽物がない
最前列のパイプ椅子。目の前をさえぎるものが何もありません。この列は他のお客さんがおらず、一列貸し切りのような状態でした

前回の盛岡では、観覧席と道路の間に転落防止のフェンスがあり、1列目は写真にフェンスが写り込みました。

竿燈まつりは、それがありませんでした。A席34ブロックの1列=最前列で、目の前に遮蔽物がゼロ。しかもこのとき同じ列に他のお客さんがおらず、一列を貸し切ったような状態でした。

夕暮れの空を背に立ち上がる秋田竿燈まつりの竿燈
夕暮れの空を背に、竿燈が立ち上がっていきます

ただし「座席の位置は低い」——全体像を撮りたいなら上段

観覧席のブロック番号と、竿燈大通りに並ぶ竿燈の列
観覧席から見た竿燈大通り。奥までびっしりと竿燈が並びます(上段から撮ると、この全体像がきれいに収まります)

最前列の弱点は座席の位置が低いことです。目の前の迫力は最高ですが、大きな竿燈の全体像を1枚に収めようとすると、見上げる角度になって入りきりません。

竿燈まつりの席選び(実際に座ってみた結論)
・迫力と、子どもの「体感」を取るなら最前列。遮蔽物がなく、竿燈が真上に来る
・竿燈の全体像を写真に残したいなら、あえて上段。高さが出て一本まるごと収まる
・盛岡さんさ踊りと違ってフェンスがないので、前列でも写真に柵が入らない
※どちらが正解ということではなく、「体験を取るか、写真を取るか」で選ぶのがよさそうです。
大きくしなる竿燈を片手で支える差し手
大きくしなった竿燈を、差し手が片手で支えます。真下から見上げると、しなり方の迫力が段違いでした

誘導のスタッフや出演者の方が、「竿燈が倒れてくるかもしれないから気を付けてね」と声をかけてくれました。実際、竿燈は風や重心で大きくしなります。最前列に子どもを座らせるなら、この一言は本気で受け止めたほうがいいと思います。

夜空に弧を描く2本の竿燈のシルエット
夜空に弧を描く竿燈。竹がここまでしなることに、まず驚きます

課題:ホテルから観覧席までが遠かった

良かったことばかり書いてきたので、我が家の側の失敗も書いておきます。

予約したホテルから観覧席までの距離が長すぎました。徒歩での往復が、子ども3人にはこたえます。祭りの前後は交通規制もあるので、「車で近くまで」という逃げ道もありません。

チケットを取るときに座席のブロックは気にしていましたが、「宿から観覧席までの導線」までは詰めていませんでした。次に有料観覧席のある祭りへ行くときは、席の位置を決めてから宿を取る——順番を逆にします。

演技と、それを支える人たち

正面から見た竿燈の全体像。上鍛冶町の提灯が連なる
正面から見た竿燈。提灯の一つひとつに町名が入っています

演技のクオリティが、想像を超えていました。竿燈を額や腰、肩へと移していく技は、明らかに長年かけて磨かれたものです。「上手だな」ではなく、「この人たち、何年これをやってきたんだろう」と思わされる練度でした。

掛け声にも活気があって、祭りが終わったあとも、つい口ずさんでしまうほどでした。

もうひとつ印象に残ったのが、出演者に若い人が多かったこと。そして——

男性が竿燈を持ち、女性が太鼓をたたく。
どちらかが主役でどちらかが脇役、ではなく、男性も女性も主役の祭りだと感じました。娘3人を連れて見ていた身としては、これは地味に嬉しいことでした。

そして祭りの終了後には、出演者や竿燈との写真撮影・太鼓の体験時間が設けられていました。出演者の方に撮影をお願いしたら、快く応じてくれました。子どもたちは太鼓もたたかせてもらい、間違いなくこの旅のいい思い出になったと思います。

昼の「ねぶりながし館」で太鼓を触っていたので、夜の本番のあとにもう一度触れる、という流れになったのも良かったのだと思います。

まとめ|5つ回って、いちばん「また来たい」と思った祭り

この旅で回った5つの祭りの中で、秋田竿燈まつりの印象はトップクラスでした。友人に勧めたいと素直に思える祭りです。

演目の質はもちろんですが、決め手は町全体の空気でした。街に清潔感があり、飲食店の人も、町の人も、とにかくウェルカム。「観光客が来て困っている街」ではなく、「見に来てくれてありがとう」という空気が流れていました。

✅ この日の学び
・祭り当日の駐車場は「予約した=確実」ではない(警備で借り上げられることがある)。代替を2つ
・開演までの待ち時間は、その祭りの伝承館・資料館に使うと化ける(屋内で涼しく、夜の予習になる)
・竿燈の最前列は遮蔽物ゼロ。ただし席は低い。写真の全体像を狙うなら上段
・コインランドリーは混む。洗える日を1日に賭けない
・席のブロックだけでなく「宿から観覧席までの導線」も先に決める

「子連れで夏祭りは大変そう」と思っている方に、最初の1つとして竿燈まつりをおすすめしたい——それがこの日の結論です。人が滞留しない祭りは、子連れにとって本当に楽です。

次回は3日目・山形花笠まつりです。【第4話】山形花笠まつりを無料の歩道から見たでは、有料観覧席が取れなくても十分に楽しめた話、終点付近に陣取ってしまった場所取りの失敗、そして隣に座ったご夫婦にもらった鈴のキーホルダーについて書いています。

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✍️ この記事の執筆・監修

ぽんきち(夫)|元警察官15年・米国大学卒(経営学)・英検1級。旅の安全・防犯・危機管理を担当。

マリン(妻)|元添乗員(国内旅程管理主任者)・元看護師。旅程づくりと子どもの健康・救急を担当。

3姉妹(7歳・4歳・1歳)を育てる5人家族です。「失敗しない子連れ旅行」を、実体験と専門知識で正直に発信しています。→ 運営者プロフィール/お問い合わせ

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